20.感激のある教育現場

挑み続ける佐久市

幸福のサイクルを実現できることを目指して。
 
「愛されること」
「褒められること」
「期待すること」
「期待に応えること」
 
これを私は、幸福のサイクルとして、各種計画における施策の立案や基本姿勢の考え方に盛り込みました。
市民一人一人が、この幸福のサイクルを実現できることを目指しています。
 
私が永田町で代議士秘書を務めていた時、バブル経済絶頂を迎え、そして崩壊しました。
 
以降、「物の豊かさから心の豊かさの時代へ」と提案され続けました。
しかし、その転換が図られたとは言えなかったと思います。
 
時代は進み、約20年が経過し、日本が人口減少社会になり、3.11東日本大震災と大津波を経験し、経済的な豊かさとは別に、人と人との繋がり「絆」を求める時代に突入したことを確信しています。
 
天災の恐ろしさを目の当たりにし、自分たちの手には負えない放射能に怯え、生活の中で感じる高齢化と人口減少…この状況は、人を心細くさせました。
この心細さは、経済的豊かさでは解決出来ないのです。
その不安は、人と人との関わりによって前向きに展開すると私は思います。
この時代を「震災後」と私は表現しています。
 
この時代の教育に目を向ける時、幸福のサイクルの実践を試みていきたいと思うのです。
幸福のサイクルを3つのテーマに向けてアプローチしていくことを考えています。
 
①学力向上
②食育
③体育
 
の三テーマです。
 
学力向上や食育、体育の実践において義務感からでなく、また指示命令によってでもなく愛されることや期待されることから、意欲や動機が生まれる状態が大事だと考えます。
そしてその過程や一つの結果において「期待に応えた」と感じ、「褒められる(評価される)」サイクルを創っていきたいと思います。
 
今、市内全域に広がった学校給食応援団などはその実践の一つです。
農作物を育ててくれる地域の農家さん、献立を作ってくれる栄養士さん、その日の給食を作ってくれる調理員さん。
これらの皆さんの思いは、児童生徒への愛情や期待なのだと思います。
その期待に応えようとする子供たちの姿には、心の豊かさの表れをみることができます。
 
今後においては、その普及拡大を目指していかなくてはなりません。
 
体育からのアプローチのひとつとして、市内全中学校陸上競技大会の実施を考えています。
現在、市内中学校の全生徒数は、佐久長聖中学校も含め3,089人です。
 
この生徒数は、総合運動公園陸上競技場に収容できるものです。
このことから陸上競技大会を開催することを検討していこうと思います。
 
期待され、期待に応える場づくり。
そして、その頑張りや達成感を同級生、先輩後輩と分かち合う大会にしたいと思います。この大会を通じて学校づくり、学級づくり、思い出づくりに資することができるものと考えています。
 
大会運営は先生方に依存しないことが良いと思います。
3,000人を超える観衆の中で様々な感激を味わえる空間を創り出したいと思うのです。