18.成熟した社会を目指して ~未来から今を見る視点~

挑み続ける佐久市

20年、30年前と今の社会を見比べてみると随分と社会は変化するものだと感じます。
 
例えば、スパイクタイヤです。
今から30年近く前は、スタッドレスタイヤなどはなく、スパイクタイヤを誰もが使用していました。
当時、佐久の寒さの中で積もった雪は、今ほど丁寧に除雪はせず圧雪されていました。
その状況でスパイクタイヤを使用することが一般的な姿でした。
 
しかし、春先になるとスパイクタイヤが道路を削り粉じん公害となり社会問題になっていました。
そういった事態を解決するためスパイクタイヤは禁止(平成2年6月施行)され、スタッドレスタイヤが日常的に利用され、除雪も丁寧に行われるようになりました。
スパイクタイヤを原因とする粉じん公害もなくなりました。
 
もう一つの例は、喫煙についてです。
かつては、小海線の中でも信越線の中でも煙草が吸われていました。
昭和末期の衆議院予算委員会でも閣僚が煙草を吸う姿がありました。
会議もテーブルには灰皿が置かれていました。
 
しかし、時代は変わり、今や不特定多数の人が利用される場所では、喫煙は出来ない社会になりました。
つまり、その当時は社会的に一般的な行動であっても時間が経つにつれて変化していくことがあります。
私は、それが成熟した社会への歩みだと思うのです。
 
私は、今、自動車の速度に注目しています。
住宅地内にある生活道路の事をイメージして下さい。
今の社会では、30㎞くらいで走る車も少なくありません。
私は、こういった道路に関しては、時速15㎞程度で走行する社会が望ましいと思っています。
 
実際に走ってみましょう。
子どもやお年寄りも使う道路を時速15㎞で走行すると相当なアクシデントも回避できるスピードになります。
移動には少し時間が掛かることになりますが、例えば朝の忙しい時間でも少し早起きすれば何の問題もなくなります。
 
つまり、佐久市民一人一人の心がけによって安全安心な街づくりが進み成熟社会の一面の創造となります。
そして、20年も経過すると生活道路を時速30㎞で走行する車がなくなり、誰もが“安心だ”と感じる社会にしていくことをイメージしています。
 
政治は、少し先を見て成熟した社会を目指して「今を改革し、より良い社会に導く役割」を担っているのです。