佐久市が、皆が活躍できる場であるために。
「千と千尋の神隠し」に出てくる湯婆婆は「働きたい者には、仕事をやる」という誓いを立て、千尋が仕事をしたいという懇願を受け入れて物語が始まります。
「いつの頃からか、彼らは、労働の尊厳と称すべきものを発見しました。つまり、人間は、何もしないでいるときよりも、働いて何かを作っているときの方が幸せだということを発見したのです」
この言葉は昭和26年、GHQのマッカーサー元帥が米国議会上院軍事外交委員会で日本人について説明した証言の一部です。
人は働き、自分自身を表現し、期待され期待に応えることを求めているのです。
子育てをしながら起業を志す女性、或いは子育てが落ち着き起業したいという女性の皆さんとお話をしていると、働くことを渇望しているその姿に感動します。
アイディアを重ね自分が地域の中でしっかりと役割を果たす覚悟を持って発言しています。
私は、この闊達なエネルギーが佐久の貴重な素材であると確信しています。
また、ライフプランを書き換えて新規就農し、自然と共生していこうとする若い方が増えています。
有機農法の方もそうでない方もいます。
遊休荒廃農地が拡大する一方、受け皿になるであろう方が大きな意欲を持っています。
若手農業者の集まりである「佐久市耕友会」で知り合った女性に心を打たれました。
高校3年生でお父さんを亡くし、それまで就職を考えていた彼女が農家になる事を決意したのです。
手伝っていたお父さんの仕事を見よう見まねで始め、近所のおじさんたちにも教わりながら取り組み、今や立派な専業農家です。
23歳の彼女は、トラクターに乗り7ヘクタールの水田でコメとソバを育て、ハウス3棟でパプリカを栽培。
お母さんと二人で耕作しています。
農作業中は日に焼けないように完全防備ですが、素に戻れば茶髪でカラフルな爪の持ち主の普通のお嬢さんです。
彼女の活躍の場はそこにあり、夢も現実的プログラムもあります。
働く意欲は、地域の掛け替えのないエネルギーの源です。
このエネルギーの活用を、佐久市の柱に加えて参ります。