13.佐久の水を守る運動を全国展開に

挑み続ける佐久市

佐久市が中心となり広域で、大事な水資源を守っていきます。
 
平成22年長野県市長会講演会の講師は猪瀬東京都副知事(当時)でしたが、「中国の日本買いが盛んになってきていますよ」と話されました。
 
しばらくすると、佐久市の地下水を活用してコーヒーの濃縮工場を建設し中国に輸出したい…必要な土地は、30万坪という話が舞い込みました。
 
必要としている土地が過大な奇妙な話。
これが中国の日本買いなのか、という疑念を持ちました。
 
佐久広域連合正副連合長会議で話題にすると、小海町や南牧村へも土地購入の問い合わせがあり、軽井沢に至っては既に3ha外国資本によって買収されたことがわかりました。
 
何かが動いている…調査を進めていくと民法における財産権の考え方に課題があることがわかってきました。
 
「土地の所有は、上空にも地下にも及ぶ」
地中から出てきた石炭もダイヤも宝物も…そして水も。
しかし、水は地下で繋がっていて、大量に取水した場合、周辺に大きな影響を及ぼすことも考えられるのです。
 
今やミネラルウォーターは、ガソリンよりも高価な時代。
日本の安価な山を購入し、大量に取水し海外で販売を行うことがビジネスモデルとして成立すれば、危険な話です。
 
これは、外国資本の可能性もありますが、国内の企業や個人が行っても問題があります。
なぜならば、地下水は地域住民共有の財産なのですから。
 
私は、佐久広域でこの問題に取り組むこととし、呼び掛けました。
それは、佐久市だけで取水規制を行っても水源の7割以上は佐久穂町にあり、広域で取り組まなければ効果が発揮出来ないからです。
結果、東御市も加わり12市町村で取水規制を行う条例が施行されました。
 
このような実態は、佐久地域だけでなく日本中で発生する可能性がありますので、本来であれば国において取り組むべき政治課題です。
 
しかし、国内には水ビジネスを主産業にしている地域もあり、法律での取水規制は出来ないと思います。
 
この民法の考え方は、明治29年に制定されて以降、改正がされていません。
その時代には、大量な取水技術もなく、水が国境を越えることなど想定する必要のない時代だったのです。
 
しかし、時代はグローバル化が進みます。
国が時代対応できないならば、市町村が独自の発想で動かなくてはならないのです。
 
そこで私は、『水資源保全全国自治体連絡会』を立ち上げ、会長に就任しました。
佐久市長として見えてきた日本の課題にも積極果敢に立ち向かう政治家でありた
いと思います。