柳清会会報(2023年11月)を発行しました。

会報

中部横断自動車道ルート決定へ!

 去る10 月27 日から、長野県によるルート説明会がスタートしました。
 早期全線開通を目指して運動してきた佐久市にとって、ルート説明会開催は大きな前進となりました。このルート案を私は高く評価しており、関係各方面にも御礼申し上げております。
そのポイントは以下の3点です。

国道141 号に近い場所にインターチェンジが建設されたこと

  高速道路は、国費での建設が予定されています。国道141 号までのアクセス道は、国・県又は地方自治体によって整備しなくてはなりません。その費用を圧縮できたことになります。

(仮称)「小海」「海ノ口」「野辺山」の3インターチェンジが「政策インターチェンジ」となったこと

 「政策インターチェンジ」は事業予定者によって建設されます。「地域活性化インターチェンジ」は地元自治体の負担となります。「政策インターチェンジ」とすることは、地元負担軽減のため、地域一丸となって要望してきた重要な点でした。

(仮称)野辺山インターチェンジ周辺で失われる農地が最小に出来たこと

 (仮称)野辺山インターチェンジ周辺以外はほぼトンネルとなる予定です。土地の価値が高い、いわゆる「儲かる農業」地帯ですので、失われる農地の面積が最小化されることは極めて大きなポイントでした。

※最も高い橋脚(ピア)は約150m で国内で最も高いものとなります。

 以上の3点は、地元自治体の財政的な負担を軽くし、地域住民の皆さんとの合意形成をスムーズに整えるために必要なポイントでした。即ち、これは早期全線開通への近道になることも意味しています。今後、地権者様はじめ、関係の皆様への丁寧な説明に徹して参ります。

保育士の処遇改善の必要性

 佐久市はお母さん(お父さん)が育休に入った場合、兄弟姉妹は保育園を退園としてきました。
なぜならば、保育園は“保育に欠ける家庭” に対する福祉施策であるためです。つまり親が育休を取得した家庭は“保育に欠ける家庭” ではなくなるからです。しかし、「育休をとった時こそ上の子を保育園に預けたい。」とする声は大きく、それは至極当然なことです。

 その中で平成27 年度から育休を取得した家庭も“3 歳以上児を継続入園可能” としています。しかし、“3 歳未満児は今も継続入園出来ない” 状態となっています。その数は令和4 年度においては76 名です。

 私は4 期目の公約で“女性活躍社会の構築” を市民と約束致しました。公約実現のためにも、“育休を取得した際に3 歳未満児が保育園を退園している現状” を改善しなければならないと考えました。令和6 年度からは、“育休を取得した場合でも、全年齢で継続入園できる”ようにルールを変更するよう進めています。

 これまで「全年齢での継続入所」が実現できなかった最大の理由は、保育士の不足です。保育士の潜在率(保育士免許は持っているが、保育士ではない人の率)は61%です。免許をとっても61%の人は保育士をしていない実態です。その理由の第一位は給与の低さです。給与だけを引き上げることで全ての問題が解決するわけではありませんが、必ず対応しなくてはならない課題です。

 佐久市では令和6 年度、保育士の処遇改善を行い、「全年齢での継続入園」を実現していく考えです。

望月の農業の新しい取組み

 佐久市とJA佐久浅間、JA全農長野では、地方の資源( 乳牛の排せつ物を活用した堆肥) を用いて、持続可能な循環型農業を広める取組みを強化していく考えです。

 この事業計画は、環境に配慮した農業を促す『みどりの農業システム法』に基づいて認定を受けていますが、最大の特長はペレット化。ペレットとは堆肥を乾燥させ、小さく固形化したもので、扱いやすく散布の作業効率を高めます。

 この取組みにより長野県では「長野県みどりの食料システム戦略推進計画」の特定区域として唯一、この望月地区を指定しています。佐久市では、地域ごとに特長ある発展を標望していますが、この有機農業の可能性を望月の特長として捉え、春日の観光事業との連携も視野に入れて、令和6 年度の新規事業立てを検討しています。

臼田地区の児童館の今後

 令和5 年度は、新臼田小学校が開校した記念すべき年となりました。
 佐久市は、1 小学校1 児童館の方針に沿って整備をして参りました。臼田地区は臼田( 旧)、切原、田口、青沼の各小学校に一つずつと下越に児童館を整備していました。新小学校が建設され児童館も1つとするところですが、当面は今の5 つの児童館を維持していくこととしました。

 ところが、5つの児童館運営を行っていたところ、「児童館まで遠い」、「新小学校の近くに新しい児童館を整備してほしい」、「新臼田小学校の一部( 多目的ホール) を児童館的利用が出来ないだろうか…」という御意見をいただきました。

 そこで、市・市教育委員会では、ご利用になる家庭と児童にアンケートを実施し、望まれる児童館について調査致しました。

家庭向けアンケート設問

 御要望に早急に対応するため、暫定的に新小学校の多目的ホールを児童館として活用し、臼田地区の児童館を1箇所に集約することを検討しています。この案に対し、該当する項目に〇をしてください。

児童向けアンケート設問

小学校の近くに児童館がある方がいいですか? それとも自宅の近くに児童館がある方がいいですか?

 この調査から見て取れるのは、臼田・切原地区は今までの臼田・切原児童館よりも小学校の一部( 多目的ホールの児童館的利用) を望む声が多く、田口・青沼地区では既存の児童館利用を求める声が多いことがわかります。
 これらの希望にお応え出来るように調査を図り、令和6 年度までには新たな配置を検討して参ります。

佐久市長以外の公職の変更

 柳清会の会員の皆さまのご支援を賜り、現在佐久市長4期目を務めさせて頂いております。本当にありがたいことであります。

 市長を務めさせて頂いておりますと、様々な市長会のお誘いを頂きます。
その中で私自身、重きを置いてまいりましたのは、全国青年市長会でした。49 歳までに当選した若い市長の集まりです。 私が入会した頃は、会員は20 数名でありましたが、現在は100 名を超える大所帯となっています。私も平成29 年度、全国会長を務めさせて頂きました。沖縄県中山石垣市長から指名を頂いたことは、大きな喜びでありました。
 この青年市長会は私の活動の幅を大きくしてくれました。また、令和元年東日本台風の際には、全国の仲間から佐久市に支援していただいたことも忘れ得ぬ記憶として残っています。50 歳の定年制のある市長会ですが、会長経験者は市長である期間は顧問として在籍できる為、現在も交流を続けています。

 その他に私は「無電柱化を推進する市区町村長の会」と「水資源保全全国自治体連絡会」の会長を務めてまいりましたが、今年度をもって退任することと致しました。

 「無電柱化を推進する市区町村長の会」は青年市長会でも交友を深めた 松尾 崇 鎌倉市長に、「水資源保全全国自治体連絡会」は30 年来の友人でもある 大西 一史 熊本市長に引き継いで参ります。いずれも、国土交通省や経済産業省といった、政府機関や国会議員の皆さまで構成される議員連盟との連携により、制度改正や法律改正がなされる場面に立ち会うなど、貴重な経験をさせて頂きました。

 一方で、新たな公職である「熱気球でまちづくりを推進する市区町村長の会」、「(一般社団法人)長野欧州貿易支援機構」の活動にも力点を置いていきたいと思います。

 「熱気球でまちづくりを推進する市区町村長の会」は、佐久市を含む熱気球に関わりの深い自治体で構成されます。自治体の交流を深め、熱気球でのまちづくりや、外国人観光客(インバウンド)の増加を見込み、活性化を図ろうをするものです。私が会長に就任することになりました。

 「(一社)長野欧州貿易支援機構」は、文字通り長野県の優れた食品や製品を欧州に輸出していくことを支援する一般社団法人です。私は特別顧問に就いています。県内の自治体で連携を取っているのは、松本市、諏訪市、小諸市、高森町、小布施町、小布施町振興公社。企業では、伊那食品や桜井甘製堂、旭松食品、橘倉酒造、グリーンノーツ、蓼科、軽井沢ブルワリー、小布施堂、いろは堂、吉本、竹屋、ミールケア等に参加いただいています。いずれも競争力のある商品を持つ会社が参加して下さっています。
そしてこの機構は、来春フランスのパリにアンテナショップ「GOEN」をオープンさせる予定となりました。佐久市内企業の欧州での事業展開も今後応援していきたいと考えています。

 一般的な市長職としての職務分掌に留まらず、地域発展の為に全力を尽くして参ります。

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