栁田市長が入院中にXへ投稿した文章です。
入院寸話綴 その5 2024/11/05
私は、子どもの頃から不思議な話が好きでした。
超常現象を追う番組や月刊『ムー』など夢中になって読んでいました。
ここでご紹介するのは、小林秀雄の講演です。
民俗学者・柳田國男著「古郷七十年」に登場する不思議な思い出話を紹介しています。
添付YouTubeの冒頭。参照
14歳の頃、柳田さんは、茨城県の長兄の家に預けられていた。
その家の近くに小川さんというお宅があり、大量の蔵書家であり、柳田少年は読書にふけっていたそうです。
その家の庭にお婆さんを祀った祠(ほこら)があって、柳田少年は気になってしょうがなく、ある時そこを開けてしまうのです。
そこには、そのお婆さんが使っていた美しい蝋石(ろうせき)があったというのです。
その蝋石を見た瞬間、説明し難い奇妙な気持ちになった、、、
そして、次の瞬間、青い空に何十という星が見えた。
沢山の書物を読んでいた柳田少年は、異常な状況を把握できたと言います。
そして、その時にヒヨドリが『ぴぃー!』っと鳴いて、我に帰った。
『もし、あの時にヒヨドリが鳴かなかったら、私は、発狂していただろう。』と表現しているのです。
そして、その後、柳田少年は、
『幸いにして生活の苦労があったので、その異常心理を忘れることが出来た。』というのです。
この講演に出会ったのは10年以上前だと思いますが、心に残っています。
何か深刻な事柄があっても、日々の生活に追われていつのまにか忘れていく…
そしてそれは『幸いなこと』であるという。
この感覚を今、入院生活で思い出しています。
忙しくしていよう…と。
忙しくしていれば、異常心理ではないが、悩みや不安感を紛らわすことが出来るであろうから…