入院寸話綴 その2

入院寸話綴

栁田市長が入院中にXへ投稿した文章です。

入院寸話綴 その2 2024/11/02

 毎日、3時間のリハビリを行う日々です。
出来ないことを出来るようにしているわけですから、それなりの努力と辛抱が求められます。
今まで何気なく使っていた“リハビリ”という言葉ですが、今後は、重みを持つ単語になると思います。
この体験は、大きな学びです。

 この入院生活で私が思い出す歌があります。
私が師事した井出正一先生のご尊父、井出一太郎先生の歌集『明暗』のなかの作品です。

失明の 定めを負いて ひとりゆく
暗く 寂しき 道はあるべし

 一太郎先生は、現役時代、白内障と緑内障を併発していながら公務を離れられず十分な治療を受けることが出来ませんでした。
そのことから、晩年は盲目のような日々でありました。
私が秘書として正一先生にお仕えした平成元年は既にそういう状態でいらっしゃいました。

 この歌は、そのような状況を定めとして背負っている“暗く寂しい”心境を表現されています。
それは、大きな不安なのでしょう。
大病を患い、抱える不安が、人にはあります。
その不安な気持ちにどれほど社会は寄り添っているのか…考えさせられます。

リハビリの苦労を知ることも学びですが、この不安の体験は、とても大きな学びになっています。
また、そうしていくことが私の定めと考えています。